相続税は今後課税が強化される方向性と考えられるため、改正前に適切な相続税対策を行うことが望まれます。
平成23年度税制改正大綱の主な改正案は以下のとおりです。
(1)基礎控除
基礎控除は従来の「5,000万円+1,000万円×法定相続人数」から「3,000万円+600万円×法定相続人数」に引き下げられます。
よって、従来は相続人が3人の場合、8,000万円以上の遺産がなければ相続税はかかりませんでしたが、改正後は基礎控除が4割引き下げられるため、4,800万円以上の財産があ れば原則として相続税が課税されることになります。
(2)最高税率引上げ
相続税の最高税率が50%から55%に引き上げられます。また、税率区分は現状の6段階から8段階に変更され、6億円超の遺産に最高の55%、2億円超3億円以下には新たな税率区分として 税率45%が設けられました。
(3)生命保険の控除制限
生命保険金は「法定相続人×500万円」の非課税枠がありますが、今後、控除が認められるのは法定相続人のうち、未成年・障害者又は相続開始直前に被相続人と生計を一の相続人に限られることになります。
(4)相続時精算課税贈与制度の対象者拡大
相続税精算課税の受贈者に、20 歳以上である孫(現行 推定相続人のみ)が追加され、贈与者の年齢要件も65歳以上から60歳歳以上に引き下げされます。
相続税改正は、課税対象者が大幅に増える内容となっており、都会に持ち家がある方で、1,000万円程度の金融資産があれば、課税対象になる可能性があります。
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